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寄り添う看護とはなにか考えた

寄り添う看護とはなにか考えた

ご家族の愛に触れて感じたこと

看護師3年目卵巣がん末期の患者さんを受け持った。癌による痛みと腹水の貯留があり苦しんでいる様子であった。そのため、痛みの緩和方法の検討と安心して過ごせるように家族との時間を作れるようチームで話し合った。そのような関わりを持つ中で昔の記憶が蘇った。看護師1年目で初めてプライマリーとして受けもった胃がんを患った女性A氏がいた。寝たきり状態であったが自宅へ帰りたい希望が本人と夫ともに強く2度自宅へ帰ることができ最期を病院で迎えた患者だった。夫はすごく献身的であり本人が亡くなられたあと病棟に挨拶にきており、生前本人から「夫が精神安定剤だよ」という言葉を夫へ伝えた際、「頑張って良かった。辛かったけどね。あなたでよかった。ありがとう」と涙ぐむ様子を忘れられずにいる。

入院時は5分に1回のナースコールがあり、癌に浸潤された骨や全身の浮腫、褥瘡の痛みで身の置き所がない様子があり体位の工夫へのこだわりが強かった。看護師もA氏への対応に疲弊しており「またAさんか、、、」と小言もきこえた。私も受け持つ中でナースコールがなると同じように思ってしまうことがあったが訪室毎に希望を聞くだけでなく会話をするようにした。そのようにできなのは初めてのプライマリーであり執着している自分がいたかもしれないが、そこで、A氏から夫が精神安定剤という言葉を聞くことができた。その言葉を聞けたことは一人の患者さんと向き合うことができた自分がいたからだろう。

看護は一回性の繰り返しであると考える。その時にしかできない看護がそこにはありA氏との関わりがあったおかげで夫へのグリーフケアにもつなげることができた。患者さんの一番近くで患者さんに手の届く私たちにできる看護を大切にしていくことで感情を表出できる存在になることができると思う。

看護師となり3年が経とうとしているがこれからも私はそのような人であり続けたい。

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