NEWS

病室に咲いた花

病室に咲いた花

病室に咲いた花

看護師1年目の終わり、私は初めてのプライマリー患者を受け持たせていただくことになった。Aさんは80代の女性で右脳梗塞後のリハビリ目的で入院された方だった。初めてお会いした際に自己紹介すると無言で微笑んでくださった。

改めてカルテを確認すると、Aさんは耳が不自由で失語もあることが分かったため、筆談でコミュニケーションをとることにした。ところが、こちらの伝えたいことは伝わるのだが、どうしても一方的なコミュニケーションとなってしまう。

日に日にAさんは無表情になっていった。伝えたいことはあるのにうまく伝わらないもどかしさがあるのではないか?何かできることはないか?そう考えていた時にB先生が手話に長けているという思いがけない話を聞いた。B先生はAさんの主治医ではなかったが、とにかく何とかしなければという思いでB先生に相談したところ、その日のうちにAさんの元へ来て下さった。

【こんにちは。医師のBです。】B先生が手話を交え話しかけるとまるで魔法にかかったようにAさんの目はキラキラ輝き、表情もぱぁっとお花が咲くように明るくなった。そして唯一自由に動かせる右腕を精一杯動かし、思いを伝えていた。

その後B先生には病棟スタッフに向け手話の勉強会を開いていただいた。

Aさんと手話で挨拶が出来るようになるスタッフも増え、そのたびに病室には小さなお花が咲く空間となっていた。

私はこの経験から、目の前の患者さまの病状だけを見るのではなく、看護師だからこそ気づくことのできる小さな変化やその方の人生背景、価値観を知ることでその人が本当に困っていることは何かを知ることができると学んだ

1人では小さな力に過ぎないが、チームや多職種と協働することで大きな力となりAさんの素敵な笑顔をみることが出来たのだと思う。

この先もたくさんの笑顔の花を咲かせられるよう頑張っていきたい。

 

わたしたちと
一緒に働きませんか?